今年、鮎竿を御購入予定の鮎師への独断と偏見的助言

まずこの私感に満ち溢れた文面がお目に止まる頃には大勢の方は各社高級ロッドを御購入されていると思う。
鮎商戦はテーマを持って5月解禁頃には次年度の構想が固まり8月にはプロトテストが始まり出し9〜10月には全容が見える。

2月1日、まだ福井は雪に覆われている頃各メーカーは煮詰めてきた素材をアピールすべく、カタログ配布を一斉に始める。
2月第一週には大阪で、その後主要都市で、3月23日には横浜FishingShow」が開催されプロトや完成品が御披露目される。

都会に住む鮎師と地方鮎師ではテンポが異なる感がある。
勿論、地方に住む熱心な鮎師は都会並の情報とスピードで買い換え購入へと進む。
この需要は車の購入・買い換え時と良く似ていると思う。ハイエンドモデルクラスの高級車は誰でも一度は乗りたい垂涎の的である。
しかし最高級車の購入は各々諸事情があり欲しい事と購入とは別問題で、セカンドクラスでの妥協を甘んじてするか、次年度へ強い思いを託して見送るかが常であろう。しかし幾度も高級モデルを乗りこなし買い換えをしてきたユーザーは次回買い換えるのもマイナーチェンジハイエンドモデルから選択するか、同等金額の他社製品かそれ以上の最高級車を購入するケースが多いと思う。

しかし、車は乗り心地・走行性のグレード他に、4WDであったりバン・ワンボックスタイプであったりで機動・機能性を要求される。
それが鮎竿で言うニッチな分野・マニアや特殊な条件を満たす竿ではないかと考える。
セカンドカー・RV車もっと突き進むと大型四駆車の購入が視野に入ってくる。
超硬鮎竿
の中に25〜20万の竿が存在する様なものである。
この分野での高額品への出費は価値観が分かれる所でもある。
フナヤオリジナル的な竿は高級車の性能を持った四輪駆動車と勝手に自負しているのだが・・・・・・・・。
乗り心地(操作性)の良さが何か!?を御存じな方はそれを満たしているフナヤオリジナルの価格の安さに驚嘆される。
性能UPと価格UPは連動しがちだが、弱小の身である事が過度な広告等経費削減〜営業経費の縮小という利点に繋がり、経費が売価に反映しないというのも、小社の最大の武器であろう。
これは、当初から意図した事であり売値は購入者の納得価格(高性能+適正価格)が商品売価である!が、私が購入するならの基準が最低評価価格と考え、作り手が購入しても良いと思う価格こそ「適正価格」であるも持論である。

頭からつま先迄トータルコーディネイトを目論む人はハイエンドを求め続け他社製品に買換える事は少ない。
D党・レインボー軍団・がまらーの誕生である。竿を選ぶ基準が良し悪しとは別に、他社製品を受け付けない体質になってしまわれた方々はそれなりに信じる物があり素敵であるが、反面、一面融通さがなくなるのは可哀想であるとも感じる。
各社テスターは「特徴」があって始めてその存在感が浮き上がってくるのだろうと思うが、余りにもテスターの特徴や理論を傾注し過ぎる竿はテスタ−流の釣り方迄物にしなければ癖の多い竿となってしまうと感じている。
玄人好みという言葉があるが、酸いも甘いも分かる玄人(年配の方々が多い)に造らす竿は、軽いが非力であったり、細いが胴に乗りすぎがちな竿、しかもネームバリューにも無駄に高額な竿を造らせる事が多い。
その路線を目指す方はこの続きを読んでも楽しくないと思う。。
掛ける前の操作性を重んじると「先調子」主動である事は今や各社が認める事である。
先調子=棒ではない!竿は曲らなくてはいけない!しかし、のされる竿は竿ではない!が我が主張。
30〜50万の竿が悪かろう筈はなく、各社凌ぎを削るのは7〜10〜10〜15〜15〜20〜30万円クラスの竿であろう。
以下新製品を主に掻い摘んで、私感と偏見で見た感想を書く。ご笑読、流し読み下されても結構、なる程と思われるのも結構。

(シマノ)
LIMITED PRO TRUSTY 90NI TypeR ¥375000 215g

TypeRは前作のTRUSTYの継承モデルと言えよう。リミプロの正統性を受け継いだ秀作。
今迄の釣り方を新しいリミプロで!と言う方には無難でありこの価格帯の竿が悪かろう筈もない。
何よりも特徴的なのはグリップ径・中竿コーティング・尻栓・グリップカラーが好み通りに!+名入れが2〜3万で追加注文出来る「パーソナルスペック」というカスタム仕様の提案。
この方法だと過剰生産をして残すと言うリスクも解消されるのだろう。
但し、オーダー表を自筆記入発注後2ヶ月待ち。
5月解禁の河川なら3月オーダー必要。5月にオーダーだと7月まで待たされる事になる。。
LIMITED PRO TRUSTY 90NI TypeH ¥380000 235g
シマノはこの竿を一押しで見ているのだろう。ある意味正統派のチャレンジャーの感想。
振り印象は硬すぎ!?の印象。言葉は悪いが初リミプロ購入者にでこの調子が必要?何本かリミプロを愛用している鮎師がこの竿購入の提案なら理解出来る。今年からレインボー軍団になる方よーく手持ち愛竿との頻度調整を考えて欲しい。
パーソナルスペックは是非すべきであろう。
LIMITED PRO AZ ZI KODACHI80-85¥325000 215gNAGINATA100-95 \415000 275g
小太刀、名の示す通り、短竿ズームの最高峰!調子は抜群!欲しくなる一本だ!が値段が!・・・・・。
勇気とお金に余裕があれば買ってしまいそう。
長刀、伸ばすズームから縮められる!逆ズームの発想。あくまでもメインの調子設定は10m。使い回せる重量と持ち重り感とパワーの鬩ぎ合い。
SPECIAL 競 FW NI
H2.6 90 ¥250000 205g

今,鮎トーナメンターで最強で実力も兼ね備えている「小澤 剛」氏監修の今年最注目の鮎竿。
剛氏はメーカー選ばず各タイトル奪取、竿選びは「疲れない・軽さ」がキーポイントだと思われる。
軽くて、操作性が良い先調子で,しかも2.75クラスのPowerがあるというこの竿、価格も実売では21〜19.7万円(税込)前後であろう。「競」シリーズは今期鮎竿中では一番人気になりそう。
「フナヤオリジナル・翔龍竿MH90HP\168000 210g」のスペックに近く、良い意味先調子を売りにした良きライバルかと思う。勿論、翔龍竿は素材・Powerとも一枚上であり、一押し本命◎!競は対抗馬○である。
H2.75 90 ¥255000 210g
敢えて2.75の選択肢の方がオールラウンドの様な気がするのだが。
渇水対策はノーマルソリッドでPowerDown出来る。
釣果を伸ばす秘訣はある程度の瀬も引きこなす事が釣果の分岐点になる。
大河に持ち込む「競」なら2.75がお勧め。
H2.9 90 ¥260000 225g
九頭竜川中下流・神通川の数釣り志向ならPOWEFULで225g H2.9設定のFEATHER WEIGHTのこの竿か。
高松・植田名人を拝し「競」はSUPER RODの代名詞であったが一時低迷したが。小澤 剛氏によって完全に甦った。
小澤氏の独特の鮎釣りは「完成された感性の釣り」何を使わせても自分の釣りのスタイルに持ち込んでしまう天才肌だけに「弘法、筆を選ばず」の感はある。竿も「先調子は人を選ばず」癖がない。
SPECIAL 競 RS NI
TypeH 90 ¥263000 235g

ソリッド釣法と言えばマミヤ〜ダイワのテスター「伊藤正弘」氏が提唱者であり今でも「SFシリーズ」は人気商品だ。
が伊藤氏のスタイルが柔らかめの穂先を駆使したオートマ釣法で竿先のふわふわ感を最大限活かした囮操作である。
この柔らかすぎる欠点は野鮎の針乗りが悪い事。目印が飛ぶのに針掛かりがしないと言うケースが多い。
掛け合わせをしなくてはならぬと革命的?釣法に対し「島 啓悟氏はRS(ラジカルソリッド)というPowerTypeソリッドでよりチューブラ穂先的引き釣りに進化させた。さらに進化を続けさせたのはオモリも引け抜きも決まるTypeH。注目!に値する
FT FORCE NI
コンセプトは「新先調子」上級者志向者の為の操作性重視=先調子と銘打った新製品。
色の事は難しいがワインカラーが良くない!コンセプトも色までも二番煎じと見られてしまっても致し方なかろう。
FTとはおそらく「FIRST TAPER」の頭文字だろう。
早瀬90NI ¥175000 250g  急瀬90NI ¥180000 260gとスペック上も若干見劣りする気がする。
悪くはないが・・・・・・・飛びっきりでもない。☆・・・・・2つ!!
使うんだったら急瀬90がFTらしくて良いかなぁの感じ。
アドバンフォースNB 荒瀬83
アドバンフォースと言えば胴で溜め込んで抜く!竿とのイメージが在り過ぎ伸ばして見る気もなかったが意見を・・・と言われ
渋々・・・・おやっ!?あれっ?!なかなかじゃん!しかし83(300g)¥173000 のみ。
83と言えばO社83SS 下野 シンカーバージョンを連想するが調子はまずまず。立ち込み派にはお勧めかも。
90 335g¥185000/ 95 375g ¥198000は 本気で釣らすならもうひと工夫。

(ダイワ)
銀影競技SPECIAL MT90
¥380000 230g
メガトルク調子と言えば妙に、必要以上にタメが効く調子と思われがちだがSPECIALクラスの素材で構成されるMTは
持ち重り感も少なく振り調子も決してふらつく事はない。
が、印象は「言われてみれば最高額の竿だった。SPECIAL Tとの選択に迷いが残る竿」
高額なのが最大唯一のネック。竿選びは高額=高価値観の範囲での好印象が如何に多いかだと思うが個人的には50%
使い込んで価値観を見出す事が40万円近い竿でどの位時間が掛かるか。第一印象は非常に良く出来た普通の竿。
銀影競技 T
中硬硬90 ¥260000 232g

T調子と言えばPower調子の代名詞とも言える「T=タフ」表示。
世に銀影競技を広め波及させたのもT中硬硬であろう。30年近く前から続く既成の事実である。
そして何故か昔からの「銀影競技」を触っている様な錯覚に陥ったのは私だけであろうか!?
232gの中硬硬であれば破損リスクは激減するのであろうが・・・・驚き感というパフォーマンスがない。
悪く言えば「変わり映えのしない・ありがちな竿」良く言えば「安定感の選択・正統派」での登場。
製品とは別にスーパーメタルトップ(SMT)を装備させたのには2度驚いた。
一つはSMTって¥28000!採算取れているのか。グローブライド株価が低いのもこの所為?!
もう一つはTと言えばチューブラの権化的竿ではないか?!Tファンの深層心理がそこにあったと読んだダイワは!?!?
早瀬抜90 ¥280000 240g
SMTは装備されないが、その方が競技Tらしいと感じさせる。
張りもそこそこありチューブラ穂はこの様にチューンすべしのお手本の様な竿。
240gが妥当だとは思わないがこの安定感の重量をユーザーが如何に判断するか!?
急瀬のパワーを持つのであれば急瀬抜の表示でも良いのかも知れないがそこは伝統のハンドリングマスターの名が泣く。
「史上最強の競技T」という解釈で良いのだろう。
銀影エアTYPE S ¥185000 210
エアの中でも軽さとS→Sharp・Softコントロールが売り。
設定は中硬硬。触れば・振れば中硬硬!!値段相応と言ってしまえば其れまで。
逆に考えれば中河川用で楽しむ上級志向鮎師には打って付けかもしれない。
銀影エアTマルチ ¥189000 263g
83−90の中硬硬70cmマルチタイプ。 村田 満先生御提唱の「カニ横釣法」を70cmマルチを駆使してやりやすくする。
70cmの弛みとおばせを竿伸縮で調整するのがミソ。「カニ横」は今でもやるが30年程前村田氏が提案した。
只、人が多めでの河川では迷惑の掛からぬ程度で・・・・。村田ファンなら1本持っても面白いかも。
銀影MT
中級者〜上級者向きのMT。全体にメガトルク調子に溢れていて価格帯はコストパフォーマンスに優れている物の胴調子。
急瀬抜 ¥129000 275g  荒瀬抜 ¥135000 290gなら使えそう。
アバンサー
国外生産の竿もここまで上手く造れば問題はないのか!
早瀬抜を中心に50cmマルチとノンマルチで展開。¥52000〜71000まで14機種
【がまかつ】
LONG RANGEU
昨年の様な「競技V5」の様なインパクト商品ではないが急瀬・荒瀬と分けられた大河制覇ロッド。
急瀬は12m¥295000があるが450gでモーメント指数85.5と長さ負けしそうなので余りお勧めではない。
使える急瀬11m¥260000 380g モーメント75.1(10m用ハカマ付)
荒瀬11m¥275000 440g モーメント81.5(ハカマ付)がお勧め。
立ち込めない渕や急瀬は長竿パラダイス。掛けてからの寄せ〜浮かし動作でも10〜11mが無難。
ハーディスト
81 ¥160000 265g  90 ¥180000 305g

見た事・振った事のある竿である。小社SUPER LIGHTU・V超硬90が製作のベースになっていると思う。
開発担当が正式オファーで小社鮎竿を見に来て2年足らず・・・・やってくれました!そっくり?!パクリ!?
私はHPで正直にユーザーの為に竿のバランス・素材・各節の長さ等公表してきました。
各社開発担当者の為になることよりも世に使い易い竿を送り出してくれる事を念願に思っているからです。
掛けて分かると思いますがハーディストの方が微妙に溜めずらく若干Powerも落ちると思います。
使ってはいませんが振れば竿が情報を教えてくれます。
悪くはありませんよ。がまかつファンで瀬釣り得意ならこのHARDESTで決まり!歴代「超硬シリーズ中NO1」
シルフィーダー
アイテムスペックが多く、選びやすく価格も丁度良い10機種
支流・ソリッド・早瀬・急瀬で展開。¥119000〜138000 赤黒は鮎師のシンボリックカラーでもある。
【下野】
ビクトリーバージョン90DR ¥245000 186g
ブラックバージョン90DR  ¥220000 240g
エンブレムV 85DR    ¥160000  290g
スピリット支流H75DR   ¥97000  185g
ディザイアU支流DR

【サンテック】
GENKI SPECIAL NB
GENKI SPECIAL ARIUS 80F ¥138000 180g
FIELD MASTER 裕輝 SS61-55 ¥53500 160g   72-66 ¥63000 205g
                 AR75  ¥75000  185g
【フナヤオリジナル】

今年の新作は「翔龍竿MH90HP」¥168000 195g(プロト)210g(予定)と
SUPER FINE 早瀬90 ¥73000 255gが既存18アイテムと合わせ20アイテムで皆様のNEEDSに答えるべく
精進して登場して参ります。
翔龍竿MH90HPのMHはミドルハード、つまり硬中硬の90しかもハィパワーで210gという軽量を意図して造られた。
それこそ硬中硬の使い易さで早瀬のPowerを感じられると思う。
操作性と感度と抜きの良さを求められた翔龍竿、溜まる調子に仕上げながら抜けの良さを#3・4・5の張りを持って実現せねばならぬという「ほこたて」を切りの長さでの調整・素材の最大級UPで解決を見た。シマノのLIMITEDカーボン採用の
パン系カーボンは以前より使用しており「翔龍竿」にもふんだんに使用している。
企画から3年ようやく陽の目を見た待ちに待った渾身の竿である。
SUPER FINE 早瀬90のコンセプトは「使い易く・お求め易い」ポピュラーな先調子
鮎竿は7〜10万円で購入を求めるNEEDS層が一番大切である。
つまり、始めて鮎釣りを楽しく感じやる気のある鮎師の層である。
やる気、研究心旺盛な鮎師がいなければ鮎釣りは「闇」、良い道具の予備軍を使って大いにステップアップして欲しい。
正直定価が2〜3万では買い換え時期が早くなり「安物買いの〜」になりかねない。
飽きない為にも「良い物に迫る物」を勧めたい!それが早瀬なら「SUPERFINE早瀬90」である。





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