「へら竿」の歴史
   へら竿の創始者といわれる竿五郎は大正１３年に２代目竿正の弟子となりチヌ竿を作っていたが、竹材店に高野竹（すず竹）があるのに目を付け試行錯誤の末、高野竹を使用して初めてへら竿を完成。その後、グラスファイバーやカーボンといった新しい化学繊維で作られた軽量で簡便な竿の台頭によって幾度と無く大きな苦境に直面したが、こだわりと、絶え間ない努力によって、「釣り味の妙」をあじわえる現在の「紀州へら竿」に育てあげ、「憧れの竿」として括弧たる地位を築いている。
「真竹」
   日本各地に幅広く分布。夏に出る竹の子を食用とし、やや苦味があり、皮は平滑で黒い斑紋があります。古くより、竹刀(しない)・弓・尺八・物差しや建材等にも広く用いられている。
「高野竹」
   九州・四国・紀州の標高７００〜９００ｍの地域にのみ自生する竹で、細いわりに肉厚があるために張りがあり、へら竿の素材としては最適。その名のとおり、高野山周辺には旧来良質の高野竹が豊富に自生しており、麓の橋本市河南地域がへら竿の大産地。
「矢竹」
   日本各地に幅広く分布。節間が長く、真っ直ぐで節が低く、茎が正円であるといった特徴を生かして昔から矢に使われ矢の他、釣竿、筆軸、飾り窓、壁の下地。